むし歯の治療と予防 caries
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むし歯は早期発見・早期治療そして予防が大切です caries
「歯が痛い」「冷たい物がしみる」などが典型的な自覚症状のむし歯は身近なお口のトラブルです。いったん進行すると自然治癒しないので、できるだけ早く治療することが大切です。その際に当クリニックでは、できるだけ「痛くない・削らない・抜かない」治療を心がけ、安心して診療を受けていただけるようにさまざまな工夫をします。気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
歯の大切な役割 The important role of teeth
歯にはさまざまな役割があります。食べ物を細かく砕いて飲み込みやすくする「咀嚼(そしゃく)」だけでなく、「話す」ときの発音にも関与して、スムーズなコミュニケーションによる意思の疎通を可能にするのも大切な役割です。また歯がしっかりしていてよく噛めると、唾液の分泌が促され、お口の中の自浄作用を高めるとともに、咀嚼の刺激が脳に伝わり、血流量も増えて脳細胞の活性化にもつながります。さらに噛み合わせのバランスがよいと全身のバランスも保ちやすくなります。
乳歯は永久歯に生え替わりますが、永久歯は削ったり、抜いたりすると元には戻りません。治療で補綴物(被せ物や詰め物)を入れることはできますが、天然歯に勝る人工歯は残念ながらありません。むし歯は発症と進行のメカニズムがわかっているので、未然に防いで、年齢を重ねてもずっと大切な歯を保つことが大切です。
むし歯とは? What is tooth decay?
むし歯はどうしてできるのか
むし歯の原因菌がお口の中に残っている糖分を分解して「酸」を出し、その「酸」が歯を溶かすのがむし歯のメカニズムです。ミュータンス菌がネバネバ成分をつくり、歯の表面に付着して「プラーク(歯垢)」が形成され、その部位を溶かしていくのです。
お口の中は飲食のたびに「酸性」に傾きます。そして歯の表面のエナメル質の成分のカルシウムなどが溶け出す「脱灰(だっかい)」を起こします。しかし、唾液が分泌され、自浄作用がはたらき、お口の中が「中性」に戻ると、歯の「再石灰化」が促され溶け出した歯の成分もまた歯に戻るのです。この「脱灰と再石灰化」のバランスが取れていればむし歯は進行しませんが、バランスがくずれて再石灰化が追いつかなくなると進行するのです。
むし歯の進行段階と治療方法 Stage of caries progression and treatment
初期のむし歯(エナメル質のむし歯)
歯の表面のエナメル質が溶かされはじめた状態です。自覚症状はまだほとんどありません。ただ、冷たい物がしみることがあります。
【おもな症状】
歯の表面のつやがなくなり、白濁したあと、薄い茶褐色になる。
歯が溶けはじめる。
【おもな治療法】
むし歯に汚染された部分を削り、レジン(歯科用プラスチック)を埋めて補う。
中期のむし歯(象牙質のむし歯)
エナメル質の内側にある象牙質にまで汚染が進んだ状態です。しみるだけでなく痛みを感じるようになります。
【おもな症状】
歯に穴があき、茶褐色から黒っぽくなる。
冷たい物や甘い物を食べるとしみる、または痛む。
【おもな治療法】
むし歯部分を除去してから、詰め物(インレー)または被せ物(クラウン)をつくって装着して補う。
重度のむし歯(神経に達したむし歯)
汚染が歯の中の神経にまで達した段階です。何もしなくてもズキズキ痛む状態です。
【おもな症状】
かなりズキズキ痛む。
【おもな治療法】
歯の中の神経を除去して薬剤で充填する「根管(こんかん)治療」を行います。その上に支台を立てて、被せ物を装着して歯の機能回復をはかる。
末期のむし歯(歯根に達したむし歯)
歯の上の部分(歯冠)がほとんど溶かされ、歯の根の部分にも汚染が進んだ状態です。
【おもな症状】
神経が死んでしまうと痛みはいったんなくなる。
歯根の先に膿が溜まるとふたたび激しく痛む。
【おもな治療法】
ほとんどの場合、抜歯が選択される。
ブリッジ、入れ歯、インプラント治療から選択して歯の機能回復をはかる。
むし歯を防ぐポイント Points to prevent tooth decay
「お口の中に汚れを残さないこと」がむし歯を防ぐための基本です。飲食のたびにむし歯が進行するリスクが生じますので、その食べ方にもむし歯のリスクを抑えるポイントがあります。さらに、毎日の歯みがきも欠かせません。
ポイント1:ダラダラ食べない
お口の中が「酸性」になっている状態が長く続くとむし歯が進行しやすくなります。とくにお子さまの場合は、食事やおやつの時間を決めて規則正しい生活を心がけ、お口の中がきれいな時間を長く保つことが大切です。
ポイント2:よく噛んで食べる
よく噛むと唾液の分泌量が増え、「酸性」に傾いた口腔内環境が「中性」に戻りやすくなります。よく噛むことは消化を助けますが、お口の自浄作用を高める点でむし歯予防につながります。
ポイント3:就寝前に歯をみがく
眠っている時間は、唾液の分泌量が減り、むし歯や歯周病が進行しやすくなります。食後の口ゆすぎや歯みがきとともに、とくに就寝前は丁寧に歯みがきしてお口の中の汚れをしっかり落とすことが大切です。
予防ケアメニュー Preventive care menu
フッ素塗布
歯質の強化、再石灰化を促す作用や、むし歯の原因菌の活動を抑制する効果が期待できるフッ素を歯面に塗布します。むし歯予防には定期的なフッ素塗布が有効です。
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)
専用の機具を使う歯のクリーニングです。セルフケアでは落としきれない、歯と歯の間や歯と歯ぐきの溝、歯面などのプラークや歯石を落とし、仕上げに歯面をツルツルにみがいて汚れの再付着を防ぎます。
歯みがき指導
歯並びやみがきグセによって汚れが溜まりやすい部位は一人ひとり異なりますので、汚れをきれいに落とせるような歯ブラシの動かし方や歯間ブラシ、デンタルフロスの使い方をアドバイスします。
シーラント
奥歯の噛み合う面にある溝は、深く複雑な形状なので汚れが溜まりむし歯ができやすい部位です。そこであらかじめその溝をレジン(歯科用プラスチック)で埋めるのがシーラントです。乳歯や生えたての永久歯のむし歯の予防につながります。
噛み合わせチェック
噛み合わせはお口全体の健康に関連します。強く当たる部位があると負荷がかかり、むし歯や歯周病を発症しやすくなります。定期的にチェックして、お口まわりのバランスを整えることが大切です。
費用 Cost
予防歯科
PMTC(30分) | 5,500円(税込) |
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PMTC(45分) | 8,800円(税込) |